ガイドライン2109改正
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6 推定修繕工事項目の設定 推定修繕工事項目は、新築マンションの場合は、設計図書等に基づいて、また、既存マンションの場合は、現状の長期修繕計画を踏まえ、保管されている設計図書、修繕等の履歴、現状の調査・診断の結果等に基づいて設定します。 なお、マンションの形状、仕様等により該当しない項目、又は修繕周期が計画期間に含まれないため推定修繕工事費を計上していない項目は、その旨を明示します。 また、区分所有者等の要望など必要に応じて、建物及び設備の性能向上に関する項目を追加することが望まれます。 〈コメント〉 ◆推定修繕工事項目は、標準様式第3-2号(推定修繕工事項目、修繕周期等の設定内容)を基本としますが、設計図書などに基づいて項目を追加し、漏れがないようにします。小項目は、補修と取替(撤去・新設)の区分、また、部位別に分けることが考えられます。 さらに、部位別の仕様レベルまで詳細に項目を設定することも考えられますが、作成の費用が増加するため、どこまでの精度を求めるかは、費用対効果の面からの判断が必要です。 ◆中項目に仮設工事を設けています。例えば、大規模修繕工事における複数の計画修繕工事に用いられる仮設足場などの直接仮設工事と、現場事務所や資材置き場などの共通仮設工事の費用を計上します。ただし、設備関係の専門工事のように単独で行われることが多いものについては、必要とする仮設工事の費用をその推定修繕工事項目(小項目)の単価に含めます。 ◆新築時に計画期間を30年とした場合において、修繕周期が計画期間を上回る場合、「修繕周期に到達しないため推定修繕工事費を計上していない。」旨を明示します。なお、計画期間内に修繕周期に到達しない項目に係る工事について、参考情報として当該工事の予定時期及び推定修繕工事費を明示するとともに、多額の費用を要するものは修繕積立金を計画的に積み立てる観点から、計画期間に応じた推定修繕工事費を計上しておくことも考えられます。 また、例えば、外壁等がすべてタイル張りであれば、「外壁塗装の塗替」の項目は「該当なし」とします。 ◆計画修繕工事は不確定要素が多く、施工時において予想外の劣化や施工条件の制約などにより工事費が増加することがあります。計画修繕工事における想定外の工事の発生や数量の増加、物価や工事費価格の上昇等による費用の増加、災害や不測の事故などによる緊急の費用負担などの対応として、その都度一時金を徴収することが考えられますが、推定修繕工事項目として「予備費」を設定し、例えば、各年度ごとに推定修繕工事費の累計額に定率を乗じた額を計上しておくことも考えられます。 - 81 -

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