ガイドライン2109改正
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第1章 総則 1 ガイドラインの目的 このガイドラインは、マンションにおける長期修繕計画の作成又は見直し(以下「作成」という。)及び修繕積立金の額の設定に関して、基本的な考え方等と長期修繕計画標準様式(以下「標準様式」という。)を使用しての作成方法を示すことにより、適切な内容の長期修繕計画の作成及びこれに基づいた修繕積立金の額の設定を促し、マンションの計画修繕工事の適時適切かつ円滑な実施を図ることを目的としています。 〈コメント〉 ◆マンションの居住環境や資産価値を良好に維持するためには、敷地、建物の共用部分及び附属施設について、法定点検などの保守点検や軽微な破損などに対して経常的な補修を行うほか、経年劣化に対応して計画修繕工事を適時適切に実施することが不可欠です。 特に、築古のマンションは省エネ性能が低い水準にとどまっているものが多く存在していることから、大規模修繕工事の機会をとらえて、マンションの省エネ性能を向上させる改修工事(壁や屋上の外断熱改修工事や窓の断熱改修工事等)を実施することは脱炭素社会の実現のみならず、各区分所有者の光熱費負担を低下させる観点からも有意義と考えられます。 ◆計画修繕工事の実施には多額の費用を要します。計画修繕工事の実施時にその工事に必要な費用を一度に徴収すると、区分所有者の負担能力を超えて必要な費用が徴収できず、計画修繕工事を実施できなくなることも想定されます。このような事態を避けるためには、必要な費用を修繕積立金としてあらかじめ積み立てておくことが必要です。 そのためには、適切な長期修繕計画を作成し、これに基づいて修繕積立金の額を設定し、これらについて区分所有者の間で合意しておくことが重要です。 ◆しかしながら、現状では、計画期間の不足、推定修繕工事項目の漏れなどによる不適切な内容の長期修繕計画が見受けられます。また、これに基づいて設定する修繕積立金の額も十分でないこともあり、計画修繕工事の実施時に、修繕積立金の不足が生じる原因となっています。 ◆このガイドラインは、長期修繕計画の基本的な考え方等や標準様式を使用しての作成方法を示したものです。これを参考として活用することで、長期修繕計画の作成者(分譲会社、管理組合等)が適切な内容の長期修繕計画を作成できること、また、購入予定者や管理組合が長期修繕計画の内容の理解やチェックを容易にできることにより、計画修繕工事- 38 -

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