ガイドライン2109改正
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(1) 長期修繕計画標準様式、長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント策定の背景 分譲マンションは、累計約675万戸、約1,573万人(令和2年末)が居住していると推測され、我が国における重要な居住形態であり、近年では年間約10万戸が供給されており、その数は着実に増加しています。特に、首都圏では、住宅取得者の半数以上がマンションを選択しているなど、わが国においては、主要な住宅形態として定着しています。また、マンション居住者の永住意識は年々高まっており、現在では約6割の方がマンションを終の棲家と考えています。 しかしながら、一つの建物を多くの人が区分所有するマンションは、①共同生活に対する意識の相違、②多様な価値観を持った区分所有者間の意思決定の難しさ、③利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、④建物構造上の技術判断の難しさなど、建物を維持管理していく上で、多くの課題を有しています。 マンションの快適な居住環境を確保し、資産価値の維持・向上を図るためには、建物等の経年劣化に対して適時適切な修繕工事等を行うことが重要です。そのためには、適切な長期修繕計画を作成し、これに基づいた修繕積立金の額を設定し、積み立てることが必要です。 こうした問題意識を踏まえて、平成20年6月に、長期修繕計画を作成・見直しするための標準的な様式として、「長期修繕計画標準様式」と、長期修繕計画の基本的な考え方と長期修繕計画標準様式を使用するための留意点を示した「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」を策定しました。 その後、令和2年6月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が成立・公布されたことを受け、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針が取りまとめられ、地方公共団体によるマンション管理適正化の推進や、マンションの管理計画認定制度が創設されることとなりました。こうしたマンションを巡る政策に係る新たな動きとともに、社会経済情勢の変化や、設備や工法等の技術革新の状況を反映することを目的として、令和3年9月に、「長期修繕計画標準様式」及び「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」の内容を見直しました。 快適なマンション生活と良質なマンションストック形成のため、今後、長期修繕計画の作成・見直し時に管理組合内において意思決定を行ううえでの指針としてご活用ください。 はじめに

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