大規模修繕工事新聞23年6月号(No.162)
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■左京区高野地区マンション見学会 23日は旧日本住宅公団が1980年前後に、工場跡地に分譲した企画型の分譲集合住宅を見学しました。1.北大路高野住宅(京都市左京区高野上竹屋町) 低中層高密化・企画型住宅 ①建築年:1980年 ②住戸数:RC造・2階建て・120戸 ③分譲会社:旧日本住宅公団 新たな住宅モデルとして、タウンハウスと戸建てからなる集合住宅により、管理組合を構成。街路樹のある風致地区内の工場跡地で、団地は沿道型配置、中庭はコモンガーデンとし、近隣コミュニティ形成に配慮されている。タウンハウスは周辺の戸建てと調和する勾配屋根や専用庭など、立地に応じたデザインを追求した。・高野第3住宅 ①建築年:1981年 ②住戸数:RC造・3、5、7階建て・654戸 ③分譲会社:旧日本住宅公団 ④管理会社:東急コミュニティー2.東大路高野住宅(京都市左京区高野東開町、西開町) 景観配慮・企画型住宅 ・高野第1住宅-3 -  ①建築年:1979年 ②住戸数:RC造・3、5、7階建て・92戸 ③分譲会社:旧日本住宅公団 ④管理会社:JS日本総合住生活 ・高野第2住宅 ①建築年:1980年 ②住戸数:RC造・3、5、7階建て・330戸 ③分譲会社:旧日本住宅公団 ④管理会社:JS日本総合住生活 平行して検討してきたまちづくり憲章、地区計画づくりも進展。京都市などへの要請を繰り返したことから2019年12月、パチンコ、麻雀、カラオケボックス等を建築してはならないとした地区計画が成就した。現在、大型パチンコ店計画跡地にはショッピングセンター(洛北阪急スクエア)が建ち、地域をつなぐ交流拠点となっている。 パチンコ店への反対運動は、図らずも高野東開・西開地区の魅力を再確認し、共にまちの将来像を考えていく素地となった。これにより「まちづくり高野赤れんが憲章」を策定。まちづくり活動の中心となる「高野赤れんがまちづくり協議会」は地域の6管理組合、2町内会等で構成されている。 2012年8月、突如現れた大型パチンコ店計画。この地に住む建築家、大学関係者、弁護士等をはじめ、近隣住民によって反対運動が組織化された。 パチンコ店計画事業者との協議が進む中で、地区計画上の問題点が明らかになり、司法判断まで進んだ結果、住民の主張が認められ、2016年9月にパチンコ店計画が中止された。「住宅地にパチンコ店はいらない!」―まちを守り育む地区計画を策定させた高野地区住民の10年―

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