大規模修繕工事新聞23年4月号(No.160)
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◇ ◇ ◇ 今回の工事で大きなポイントは玄関ドアの更新。検査後の3月7日~ 23日にかけ、全戸対象に行った。東京都の省エネ改修促進事業活用全戸玄関ドア更新、工事費30%を補助 3月4日土曜日午前10時、マンションのエントランスに修繕委員会メンバー、工事監理者・アワーブレーン環境設計、施工者・ヤシマ工業の現場責任者および安全品質管理部の面々が集まり、高層階の足場を解体する前の検査を行った。 快晴の中、まずは屋上に上がる。屋上の一部は金網に囲まれ、普段、洗濯物などを干せる環境にある。工事中は資材置き場として利用していた。 どのような工事を施し、どのように改善しかの説明を受けながら、現場を観察。修繕委員長は「足場に上がってみる機会がなかったので、こうしてみるとしっかり施工されているのがよくわかりました」と実感したようだった。 検査ではこれから施工するバルコニーにおける居住者の荷物、衛星放送アンテナの設置など、施工が難しい住戸に対するお願いをどうするかについて、その対応を修繕委員会とヤシマ工業の現場代理人とで協力しながら行っていく確認を行った。 中には窓ガラスに作業員に感謝する貼り紙があり、「住民みんなの気持ちの表れです」と修繕委員長。検査後は「残りの工事、さらに追加工事もしっかりやってもらえると思っています」と話していた。 東京都は現在、「HTT〈電力をH減らす・T創る・T蓄める〉を進めよう」をテーマに都民、事業者のさまざまな取り組みに対して支援を行っている。 この一環として、玄関ドア更新工事に活用したのが「既存住宅における省エネ改修促進事業」。災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅の普及を拡大しようと、工事に補助金が出る。 実際の工事は、既存の枠を外さず、新たに高断熱の玄関ドアを設置する「カバー工法」を採用。1住戸当たり2時間程度の作業時間となる。 ただ、作業中は居住者に滞在してもらう必要がある。賃貸にしているが現在借り手がなく空室で区分所有者の連絡がとれないケースもあった。 こうしたスケジュール管理についても修繕委員会とヤシマ工業が協力・対応しながら、予定通りに施工を行うことができた。 住民にとって一番効果が感じられる玄関ドアの更新とあって、「ドアも新しくなり、見違えるほどよくなった」という声が上がっている。 補助金は昨年9月26日に申請し、3月3日付けで決定通知が来た。交付予定額は玄関ドア工事費の約30%だった。 行政の補助制度は、申請が大変だが、費用のかかる全戸対象の工事では一度にできるという理由にもなるので、常に情報集めしておく必要がある。-2 -

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