大規模修繕工事新聞23年3月号(No.159)
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 工事会社の倒産等による工事中断など、万が一の際に対応するのがマンション大規模修繕工事完成保証制度です。工事の継続が不可能になった際の進捗状況、支払い済みの工事着工金・中間金を第三者機関が調査し、現場状況の金額に差異が生じた場合の損害を保証します。代替工事会社への支払いが当初の契約金額を超える場合にも保証されます。 ただし、保証料は工事会社(管理会社含む)が負担することになるので、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社は対応してくれません。このため、制度の普及が遅々として進まないという現状があります。 工事の完成が停滞すれば責任は理事会に降りかかってきます。 そこで、全建センターのマンション大規模修繕工事完成保証制度では工事完成保証や瑕疵担保責任保険の欄等を盛り込んだ「マンション修善工事請負契約」をすすめています。 詳しくは全建センターまでお問い合わせください。 現代日本では、様々なハラスメントが存在します。いつ自分が被害者になるか、加害者になるか戦々恐々。そんな閉塞感を吹き飛ばしてくれる存在が「お笑い」です。 ところが、この「笑い」によってハラスメントが起きることもあるのです。それは「いじり芸」が大きな影響を与えています。「いじり芸」とは相手を困らせたり弄んだりして、笑いに変えるもの。元々は漫才師など芸人が始めたもので、テレビが普及する以前はさほど流行っていませんでした。 ところが、テレビの普及により芸人が後輩芸人をいじる姿を、多くの日本人が目にするようになりました。これがお手本となり、テレビの中の芸人と同じように振る舞う人もでてきます。結果、相手に嫌われてしまったり、人間関係がギクシャクしたり。これでは生活に潤いどころの話ではありません。 この「いじり芸」が主流になったのは、案外最近のことです。 ご相談・お問い合わせいただいた方に、最新刊小冊子「大規模修繕工事・完成保証制度のススメ」電子版を無料進呈します。テレビ番組「風雲!たけし城」が放映されていた昭和後期から徐々に広がりを見せ、平成時代に定着します。それ以前の日本の笑いは、下の者が上の者をいじるものが主流でした。ご存知、ドリフターズのコントもそのようなものが多かったと記憶されている方も多いでしょう。 昭和時代までの日本の笑いは、上の者が滑稽な姿を見せることで成立していた節があります。これは昭和時代だけでなく、戦国時代の武将・豊臣秀吉の時代から脈脈と続いているものなんです。秀吉は御伽衆と呼ばれる、今でいうお笑い芸人を召し抱えていました。秀吉が彼らにやらせたのは、自身を笑いに変えること。これで部下のガス抜きをしたり、自身を振り返ったり。おらかさがある社会になってもらいたいものです。(コラムニスト ふじかわ陽子/絵:吉田たつちか) 秀吉は自身が絶対的権力者である自信があったため、自分をいじられても問題ありませんでした。いじられることで、懐の深さを見せつける意味もあったでしょう。昭和時代までのお笑いも同じです。笑いの中に「許し」がありました。だからこそ、昭和時代まではおおらかな時代だったのかもしれません。 現代はおおらかさよりも正確さが求められ、更にはハラスメントにまで気を回さなければならない時代。とてもギスギスしがちですから、日常の中に笑いは必要不可欠でしょう。この「笑い」をどのような形で生み出すかを、立ち止まって考えていきたいですね。仕事は正確に、でも笑いの中には「許し」というお-15 - <問い合わせ先>一般社団法人 全国建物調査診断センター(一級建築士事務所 東京都知事登録第62699号)TEL:03-6304-0278 FAX:050-3142-9761E-mail: info@zenken-center.com保証料は工事会社が負担することになるので、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社はやってくれません!

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