大規模修繕工事新聞23年1月号(No.157)
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 一般社団法人全国建物調査診断センターが2カ月ごとに主催している恒例管理組合オンラインセミナーの一部を紙上採録します。今回は12月18日にYou Tubeで公開した第61回セミナー「管理会社変更の実態と実務~これからの管理会社との新しい付き合い方~」について1月号と2月号の2回に分けて採録します。 なお、これまでのセミナーはYou Tubeにより動画配信を行っています。全建情報図書館でもセミナーの内容等を収録した書籍を発行しています。全建センターのホームページから検索してください。講師:水島 一/全建センター理事・マンション管理士 ・管理業務主任者 ・宅地建物取引士・マンション維持修繕技術者 ・認定ファシリティマネジャー これがきっかけとなって、管理会社を選ぶ時代に突入したと言われていますし、私自身もそのように感じます。 マンション管理適正化法は、ビルメンテナンスの考えでは到底業務はできないことが定められています。一番のポイントはおカネの管理があるかないです。管理組合のおカネを預かるというのが、マンション管理会社の業務のため、厳しいルールが課されているということになっています。 厳しいルールを履行できない会社は、管理業務の実施自体が困難になります。また、組織だって、フロント担しかり、バックオフィスしかり、総務しかり、さまざまな部門がバックアップをしないと業務実施ができなくなりますので、町場の不動産屋さんや小さなビルメン会さんでは、とうてい法律を遵守する業務ができなくなります。 こうしたことによって、本格的な自由競争、市場開放となりました。 コンプライアンス遵守には、組織的な対応が必要となり、管理会社にとって非常に大事なものになっていきています。マンション管理適正化法施行で管理会社を選ぶ時代に突入しました! 管理会社と管理組合の関係において大きな転機は、2001年マンション管理適正化法の施行です。この法律の施行から管理会社変更が本格的にスタートしたといえると思います。 マンション管理適正化法が制定される前は、マンション管理はビルメンテナンス、ビル管理の延長ととらえている傾向があり、さまざまなトラブルが起きていました。 昨今でも、管理組合の金銭の着服、大事な竣工図書や各種図面等の紛失などさまざまな問題が業界を賑わせていますが、こうした問題に取り組むために法律ができました。管理会社変更は、明確な目標設定が絶対に必要です! コンサルタントとして相談を受ける際、まず「なぜ管理会社を変えようと思ったのですか?」と尋ねます。 まったく適正化法を遵守できないような会社で、そもそも管理業務ができないのか、フロント担当の対応が悪いのか、管理委託費を下げたいのか―さまざまな理由がありますが、変更しようと思った理由と目的、この2つを必ず聞くようにしています。 理由と目的がきちんとしていないと、管理会社を変更しても自分たちマンションにとっていい未来が訪れることはいえません。だから、そこまで申し上げるようにしています。 -2 -

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