大規模修繕工事新聞22年10月号(No.154)
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 機械式駐車場は、5年に一度、発錆による腐食を防ぐため、塗装工事が必要となります。ただ、この定期補修を怠ると、例えば上段の発錆部より、雨水が下段の車に落下して、もらい錆が起き、損害賠償問題などに発展する場合があります。 老朽化するほど経年による機械の故障が増え、利用者の通勤に支障をきたすことが頻繁に起き、これが利用者が減っていく悪循環につながります。 機械式駐車場の市場は、ピーク時10万台強であったのですがが、現在では3万台程度まで減っております。かつて多くあった参入企業が、次々と撤退し、現状では大手3社が8割シェアを占めている状況です。 そうなると、撤退したメーカーの機械については、補修部品の供給ができなるので、20 ~ 25年に一度の更新費用が割高になってしまうということになってきます。 利用者が少なくなり、故障による修繕費が嵩むため、修理すついに申込者2,000人超!一般社団法人全国建物調査診断センターが2カ月ごとに主催している恒例オンラインセミナーへの申込者が2,000人を超えました。一管理組合の平均参加者は1.1人で、単純計算で1,900管理組合以上の管理組合に配信していることになります。このページでは8月28日にYou Tubeで公開した第59回管理組合オンラインセミナー「マンション負担増大、駐車場平面化へ、その現状と対策」について、一部を採録します。なお、これまでのセミナーはYou Tubeにより動画配信を行っています。全建情報図書館でもセミナーの内容等を収録した書籍を発行しています。全建センターのホームページから検索してください。るのをやめて地上部分だけを使用しているケースがあります。 修理をせず、昇降をやめて、地上部だけを使っていても、下段の老朽化は進んでいます。車台パレットの落下事故につながる例もあるのでたいへん危険です。 2021年3月までの5年間で、マンションの機械式駐車場パレットの落下事故が15件発生しています。2017年~ 2019年に起きた3件の事故では、いずれも部品の交換を推奨されていたのですが、それを見送っていたことが原因とみられています。 さらに2007年~ 2016年6月までの間で、32件の死亡・重傷事故が発生。そのうち12件は死亡事故に至りました。 定期点検や補修をやめて、パレットを溶接し、固定化するケースがあります。機械式駐車場の使用をやめ、支出を抑えようとするものですが、老朽化による不具合の事例-2 -

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