大規模修繕工事新聞22年9月号(No.153)
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− 管理職を含め、建設業界での女性トップは珍しいのでは? 昨今、女性の活躍推進や多様性が求められています。その中でも特にマンション改修分野は生活しながらの作業ですから、生活者の目線はより重要です。マンションの生活実態はやはり女性の視点から見えるものが多いので、改修業界では女性の役割が大きくなっていくと思います。 社内の女性スタッフも現場に出ている女性が9人、営業・設計部も19人のうち半数近くの8人が女性です。近年の新卒社員採用は男女半々。女性が働ける環境こそが多様性といえます。−改修に重要な生活者の目線とは? 新築と違って、技術論だけの発想では難しいところに改修業界があり、日常生活に生じるご負担に対し、しっかり配慮して施工できるどうか、そこに工事会社の対応力が問われます。 工事中も居住者の皆様が気持ちよくお過ごしいただけるよう、清潔な現場作りはもちろん、作業員の挨拶・身だしなみやマナー向上にも積極的に取り組んでいくことが「生活者の目線でみる」ことにつながっていきます。 先代もよく言っていたことですが、単にマンション改修の仕事を受注しても、そこに住んでいらっしゃる管理組合の方々は住宅ローンを払いながら修繕費も払い続けています。一過性の修繕ではなく、30年後、あるいは50年後も、安全に、快適に、そして安心してマンションで暮らし続けていただくためのお手伝いする、それが会社の使命だと言えます。−そうした会社の姿勢が理解されるとよいですね。 現在、工事受注の3割が十数年前に大規模修繕工事を実施しや点検を小まめに実施しています。小修繕などのお仕事もいただきながら、とにかくコツコツ関係を構築した結果といえるのではないでしょうか。 10年前に『「ありがとう」を集めよう[共有・真心・結束]』といったスローガンを、弊社がビジネスパートナーと呼ぶ協力会社とともに作りました。 挨拶や身だしなみはもちろん、お客様の要望に先回りしたり、丁寧な応対で「ありがとう」を集めました。考えてみれば、このころから管理組合のリピーターが増えてきたような気がします。−今後の取り組みについて教えてください。 CS(カスタマーサービス)事業部への人材拡充を図っています。工事部のエースをCS部のリーダーに据えたり、マンションの理事長経験者を加えたりして、さらにお客様のニーズに応えていく所存です。 お客様から期待される『信頼』は「技術・人・財務」です。マンションの再生技術を学び、人材を育成し、健全経営を実践していく―先代の経営方針を受け継ぎながら、より社会に必要とされる会社を目指して発展させていきたいと思っています。-6 -  創業218年の歴史をつないできたヤシマ工業株式会社は今年の株主総会・取締役会により、西松みずき氏が7代目の社長に就きました。代表取締役社長就任に際し、西松新社長は「長い歴史の中で大事にしてきた『信頼』を引き継ぎながら、時代変化の中で成長し、世の中に必要とされる会社にしていきたい」と抱負を語ってくれました。

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