大規模修繕工事新聞22年9月号(No.153)
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   工事会社の倒産等による工事中断など、万が一の際に対応するのがマンション大規模修繕工事完成保証制度です。工事の継続が不可能になった際の進捗状況、支払い済みの工事着工金・中間金を第三者機関が調査し、現場状況の金額に差異が生じた場合の損害を保証します。代替工事会社への支払いが当初の契約金額を超える場合にも保証されます。 ただし、保証料は工事会社(管理会社含む)が負担することになるので、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社は対応してくれません。このため、制度の普及が遅々として進まないという現状があります。 工事の完成が停滞すれば責任は理事会に降りかかってきます。 そこで、全建センターのマンション大規模修繕工事完成保証制度では工事完成保証や瑕疵担保責任保険の欄等を盛り込んだ「マ歴史は勝者によって作られるというフレーズを耳にしたことはないでしょうか。一説によると英語の「history」の語源は、勝利を意味する「victory」と同じだとも。学校で習う歴史も、実のところ時の為政者が書かせた歴史書をベースにしていますので、真実を一面からしか見ていません。 忘れてはならないのが、現代はマスコミによって「真実」や「事実」が作られている点です。テレビにしろ新聞にしろ、スポンサーありきですので、公平な報道は難しいのが現実。つまり、お金さえあれば「真実」も「事実」も作ることができます。 この手法は何も現代になって生まれたものではありません。例えば『平家物語』。鎌倉時代に成立したといわれる軍記物語で、作者は分かっていません。盲目の琵琶法師が全国各地で語り、日本中に広まりました。その影響か『平家物語』がベースになったと考えられる民謡や盆踊り口説きが各地に残っています。 さて、このケースのポイントは、誰一人として平家の滅亡を目にンション修善工事請負契約」をすすめています。 詳しくは全建センターまでお問い合わせください。<問い合わせ先>一般社団法人 全国建物調査診断センター(一級建築士事務所 東京都知事登録第62699号)TEL:03-6304-0278 FAX:050-3142-9761E-mail: info@zenken-center.com ご相談・お問い合わせいただいた方に、最新刊小冊子「大規模修繕工事・完成保証制度のススメ」電子版を無料進呈します。していない点です。琵琶法師は盲目ですので、戦地にいたとしても「見る」ことは不可能。では誰が合戦の様子を琵琶法師に伝えたのでしょうか。琵琶法師が全国各地で語ることで、メリットがある人物は誰なのか。プロパガンダである可能性はないか。この視点がないと、本当の「真実」にはたどり着くことはありません。 他にもあります。『忠臣蔵』をはじめとする赤穂事件です。赤穂義士が吉良上野介の屋敷に討ち入りをしたなんと半日後には、上方の釈場で討ち入りの様子が語られていたとか。江戸と上方、早籠でも1週間近くかかっていた時代にです。情報の伝播は早籠よりも早かった可能性もありますが、不可思議です。なるべく早く上方に情報を「広める」必要があったのでしょう。もしかすると、すでに台本があったのかもしれません。 このように歴史を見てもおかしなことは多々あり、真実は未だ解明されていません。やはり「歴史は勝者によって作られる」からでしょう。しかし、本来なら人間の数だけ真実があって当然なのを忘れてはなりません。同じものを見ていても、受け取る側の感性はそれぞれ違いますから。 情報化社会の昨今、勝者と呼ばれる人たちが述べる「真実」に惑わされないよう生きるのは困難です。ですから、「こういうこともある」というのを頭の隅に入れておく必要はあります。誰にとってメリットのある情報か、を常に考えていきたいですね。(文:コラムニスト・ふじかわ陽子/絵:吉田たつちか)-15 - 保証料は工事会社が負担することになるので、管理組合側から工事会社に申し入れしないと、工事会社はやってくれません!

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