大規模修繕工事新聞22年8月号(No.152)
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  で使われているということになります。 銅管は非常に薄い肉(0.81mm)なので、継手の接合方法は、いわゆる「ろう付け接合」といい、ガスバーナーを用いて450℃の高温でろうを溶かし、管と継手の中にろうを流し込む方法で、ろうが冷えたら抜けなくなる、止水もするという接合方法です。「はんだ付け」とは違います。 緑青(ろくしょう)については正しい知識が必要です。緑青とは「銅の錆」とよく言われます。錆と聞くと、鉄の印象が強く、良くないもの、という印象ですが、鉄のように腐食していつかぼろぼろにならず、古来の仏像など何百年経っても同じ形を保っているものが多くあります。 そもそも錆とは、金属の表面の不安定な金属原子が環境中の酸素や水分などと酸化還元反応(腐食)を起こして生成される腐食物です。 緑青も表面腐食物ですが、鉄錆とはずいぶん性質が違います。緑青の性質は、銅管の表面に不動態皮膜を作って内部の腐食を防ぐ効果や、抗菌効果があると謳っています。緑青は鉄と違い、腐食を防ぐ効果等があるため、日本の硬貨(10円玉、5円玉)でも銅をメインにして作られてきたということになります。 よく聞く話で、銅管に穴があくピンホール現象があります。針で穴をあけたような現象です。当然、穴があくと漏水が発生します。 ピンホールが発生する原因は、3つです。(1) 水(お湯)は、ずっと止まった状態だとピンホールは発生しません。水を張った桶に銅を入れてもピンホールは発生しません。水。お湯が動くからです。外面被覆とは、直接管に触ると熱いとか、熱を逃がすということになるので、外面に被覆をしています。被覆材はポリエチレン(P)または塩ビ(V)で、たいていはポリエチレン(P)を使っています。銅管自体の肉厚は、JISの規格でKタイプ=1.65mm、Lタイプ=1.14mm、Mタイプ=0.81mmの3種類がありまして、マンションでは口径20AでたいていMが使われています。ポリエチレンの被覆材は耐熱120℃以下、銅自体は200℃でも300℃でも持つと思いますが、基本的には200℃以下で使用となっています。この特性から、マンションで給湯管は銅管がメイン・一級管工事施工管理技士 ・給水装置工事主任技術者・排水設備責任技術者一般社団法人 全国建物調査診断センター給排水設備担当 淵上 和久 一般社団法人全国建物調査診断センターが2カ月ごとに主催しているオンラインセミナー。今回はYou Tubeで公開した第58回管理組合オンラインセミナーについて、一部を採録します。なお、これまでのセミナーはYou Tubeにより動画配信を行っています。全建情報図書館でもセミナーの内容等を収録した書籍を発行しています。-2 - マンション給湯銅管の特徴 給湯銅管はほとんど専有部分の中にあります。給湯器からお風呂、台所等にお湯を送っている配管だとご理解下さい。 給湯銅管の専門的な名称は「外面被覆銅管」といい、JIS規格になっています。合金番号はC1120で、銅(Cu)が99.90%以上で構成されている配管です。 

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