大規模修繕工事新聞22年6月号(No.150)
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 国土交通省はこのほど、定期検査報告が行われたエレベーターを対象に二重ブレーキの設置状況を調査したところ、令和2年度に定期検査報告が行われた約74万台のうち、二重ブレーキが設置されていたのは29%に当たる約22万台にとどまっていると発表しました。国では安全性確保のため、建物の所有者・管理者向けのリーフレットを作成し、二重ブレーキ設置を促進しています。 また、既存エレベーターの防災・安全対策においては、令和4年度当初予算案が閣議決定され、二重ブレーキの設置等に対する補助対象限度額の引き上げや、補助対象の追加などが行われました。 管理組合では、マンションにあるエレベーターが防災・安全対策を施しているか否かを確認し、未実施の場合は補助金利用なども含めて予算を立て、エレベーター改修を検討することが望ましいといえます。「戸開走行保護装置」「地震時管制運転装置」設置の義務化 2006年(平成18年)6月に東京都港区の共同住宅で発生した高校生の死亡事故を受け、2009年(平成21年)9月28日以降に設置するエレベーターには二重ブレーキ(戸開走行保護装置、地震時管制運転装置等)の設置が義務付けられています。「戸開走行保護装置」とは 駆動装置や制御器に故障が生じ、かごの停止位置が著しく移動した場合や、かご及び昇降路のすべての出入口の戸が閉じる前にかごが昇降した場合などに、自動的にかごを制止し、人が挟まれることを防ぐ装置。(建築基準法施行令第129条の10第3項第一号)「地震時管制運転装置」とは 地震発生の初期微振動(P波)その他の衝撃により生じた加速度を検知し、本震(S波)が到達する前に、最寄り階に自動運転することにより、人がかご内に閉じ込められることを防ぐ装置。(建築基準法施行令第129条の10第3項第二号)-9 -

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