大規模修繕工事新聞21年11月号(No.143)
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■ 修繕計画から給排水更新工事の除外を検討できるマンション1. 1977年から1999年竣工で、修繕工事を実施したことがないマンション 排水の横引管がスラブの上、そして共用の給水管が共用部分にある等々が条件になります。この時期のマンションは、材料の技術革新が過渡期にあって、いろいろな種類のものが使われています。調査をして、確認をして、これなら使えそうだという判断をした場合に、更新工事から除外する検討をおすすめします。■建物事情から判断すべきマンション1. 1976年以前の竣工で、修繕工事を実施したことがないマンション 特に排水の横引管がスラブ下にあるマンション、まさかと思いますが共用の給水管が専有部分にあるマンション、さらに白ガス管(炭素鋼鋼管)が使用されているマンションは、更新工事をメインに考えた方がいいかもしれません。2.1976年以前の竣工で、建物事情があるマンション 建物の断熱等の状況を調べて検討する事情のある、特殊な建物事情があるマンションですので、調査によって判断することになります。■結 論 考え方としては大規模な修繕工事はいらないということで、中規模化することがポイントになります。<給水管>す。ただし1回実施すれば、あとは必要ありません。<給湯管(銅管の場合)>ピンホール漏水対策(孔食対策)給湯管更生工事を20年に一度計画 建物全体の予防保全として、給湯管の内部をコーティング(樹脂を塗る)する工事の計画をおすすめします。配管の漏水事故では、銅管に小さいピンホールのような穴が空いて、そこから漏水するケースがほとんどです。その対策として、更新工事をすると莫大な費用がかかるので、あくまで予防保全として、20年に1度程度、給湯管更生工事の計画をおすすめします。 更新工事をやっても、このような予防保全をしたほうが、よほど漏水事故がなくなります。防錆対策排水管更生工事を20年に1度計画 本当に排水管は取り換える必要があるのでしょうか。排水管はさきほどの調査診断の内視鏡でもわかるように汚れや錆が付着していて、管理組合がみると非常に劣化のインパクトがあります。 しかし、排水管は厚みが十分ある場合、汚れを落とし、コーティングすれば、建替えまで使うことができます。排水管の更新工事は計画するだけ無駄です。修繕積立金を食いつぶす工事となるので、排水管は更生工事だけをやる、それも20年に1度やればいいというレベルといえます。<排水管(金属管)>年代に入り、管材の材質革新が起こって防食継手、排水用塩ビライニング鋼管が多数採用されるようになりました。なので1990年以降のマンションは、非常に耐久性の高い管材が使われていることになっています。このため、わざわざ更新工事をする必要はありません。異種金属接合部改善工事のみ1回実施、以後不要 給水管の外観はよくても、鉄と銅が接合したときに異種金属接合で鉄が腐食することが一番問題ですので、ここだけ更新工事を行いま-4 -

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