大規模修繕工事新聞21年11月号(No.143)
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  築30年後半から築40年超えるマンションでは3回目の大規模修繕工事を計画、または実施されている管理組合も多いと思います。この時期の大規模修繕は劣化箇所の機能回復に加え、鉄部塗装の繰り返しによる不具合の補修、あるいはサッシ窓や玄関扉の交換など大きな費用のかかる工事も考慮に入れなければなりません。どの部分に不具合が起こるのか。写真で見てみましょう。■扉塗膜厚 3回目の大規模修繕工事を検討するにあたり、鉄部については通常、5回の鉄部塗装が行われていることになります。当然、膜厚が厚くなり、メーターボックス等の扉が開けにくくなったり、吊元の丁番部が動きによって塗膜が剥がれている現象が起こります。その上から塗装しても、1年のうちに同じ現象が発生します。■仕様書作成のポイント 仕様書作成時のポイントとして、塗膜の部分剥離や部品の交換を検討する必要があります。元々、扉と枠の間にはクリアランス(隙間)があり、お互いに干渉しない構造になっていますが、その状態に戻すために、扉の小口(幅が狭い箇所)や枠の見込み(奥行方向)といった部分的な箇所の塗膜剥離が必要と考えます。■丁番 丁番については、本来塗装してはいけない箇所ですが、材質や形状によって塗装を塗り込んでしまっているケースが多くあります。また、開閉時の衝撃や風により扉が煽られて丁番が歪み、閉まらなくなってしまう箇所があるため、丁番の交換や、同時に鍵の交換、腐食しやすい沓摺り(くつずり)の補修も検討する必要があります。■ドア交換 また3回目の大規模修繕工事で検討される内容として、玄関ドアの交換があります。扉や枠の鉄部の腐食、塗装の塗り重ねによる接触、ドアクローザーの不具合、ピッキング対策や二重鍵、耐震対策等、様々な問題が発生し、また住民の皆様からの交換要望が多くあります。-13 -

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