大規模修繕工事新聞21年11月号(No.143)
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実数精算とは主な対象工事マンション大規模修繕工事等の設計コンサルタントである一級建築士事務所㈱神奈川建物リサーチ・センター(通称:KRC、深間淨治社長)では補修図面・増減金額表自動作成アプリ『下地くん』を開発、実数計算の実務に役立てています。 大規模修繕工事で必ず発生する実数精算。その劣化の項目、数量の想定数量(契約時)と実数量(工事中に足場からの全面調査)の比較を瞬時に完成させるアプリです。調査・設計段階で想定した劣化部位の想定数量と、足場をかけてから施工会社によって全面調査で算出した実際の工事数量を見合わせ、その差を精算すること。 実際に工事を行う劣化数量は、着工後に足場がかかってからの、施工会社による「全数調査」で確認する必要がある。そうすると、実数が想定値より少ない場合は工事代金の減額、想定値より多かった場合は工事代金の増額になる。管理組合としては、補修工事が増額となった場合に備え、「予備費」を予算化しておかなければならない。 従来通りの数量確認のやり方は、施工会社の作業員による手書きによる劣化部位の拾い出し、集計であり、常時間違いが起きている状態です。また、マンパワーによるところが大きいため、集計時間がかかり管理組合、設計者、施工会社の定例会議への報告が遅れ、意思決定が遅れるということが問題となっています。 つまり、精度と時間の問題が生じているわけです。 『下地くん』は、iPadに現場マンションの図面を組み込み、劣化部位をタッチペンで触れて、図面上に落としていくといった作業となります。劣化部位を落とすとテンキーが出てくるので数字を入力すれば、劣化の種類と数量が組み込める仕組みとなっています。 さらに、アプリケーションへの入力なので、人の手計算の必要もなく、自動で増減金額表が作成できる機能が付いています。『下地くん』のiPad入力画面(KRC YouTubeチャンネルより)『下地くん』のメリット・ 理面)・ ・ ンエ ・ 直接的に書き込むので不良個所の確認がしやすい(監実数清算増減表にそのまま反映される(スピード化) 集計間違いがない。改ざん防止にも効果的(ヒューマラー防止、精査制度の向上)人件費の削減が可能になる(工事費の抑制に効果)-14 -

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