大規模修繕工事新聞2021年7月号(第139号)
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..202175◇ 大規模修繕工事の成功のために 大規模修繕工事を成功させるには、達成するための計画・実行・検証・見直しと計画の全体と部分の最適化を俯瞰し、課題などの捉え方やその対応の進め方等に矛盾がないかをしっかりと検証しながら進め、場合によっては修正したい。 理事会や委員会はいったん決め提案したことを絶対視し、異見をないがしろにせず、目的や管理組合の将来を見通した時に合理的なのかを、異見を通して見つめ直す度量がほしい。◇日住協の協力技術者 大規模修繕工事にあたっては仕様書を作り、工事はそれに基づいて施工する。施工が仕様どおりなのかを検証するのが監理であり、仕様書と工事監理はセットである。 仕様書づくりと工事監理は設計コンサルタントが担う。日住協は一握りではあるが設計コンサルタントを協力技術者として協力関係を築き、設計監理方式を磨いてきた。これは、管理組合の利益(りやく=役に立つ)を考え、育んできたものである。一方で不適切コンサルタントは、より巧妙に談合を行っている。NPO法人日本住宅管理組合協議会/集合住宅管理新聞『アメニティ』2021年6月5日付第465号「論談」より◇こわい日住協の眼 先ごろ、日住協の大規模修繕工事支援制度を取り入れた管理組合で、1回目に携わった設計事務所A社が管理組合の推薦があったにも関わらず、日住協が関与すると明らかになった時点でA社は自ら下りた。日住協の眼が気になったと思われる。 築50年の団地管理組合では、前回までの設計コンサルタントではなく、まったく別の設計事務所に依頼したという。 コンサルタントは主治医ともいえる。前回までの健康状態を把握している主治医を変えるのは得策とは言えない。もちろん、その主治医に不安がある場合は代える必要はある。◇コンサルタントは規模で選ばない 管理組合は、資本力や社員数といった規模の大きな設計事務所を選定しがちだ。日住協の協力技術者は一人から数名の設計事務所である。 彼らは日住協の理念を理解し、管理組合を理解しており、コンサルタントとしての経験は豊富である。その中には、不適切コンサルタントの存在を世に問うた気骨のある方もいる。 コンサルタントは、その人となりをよく見て選びたい。 (NPO日住協論説委員会)13関東防水管理事業協同組合設計コンサルタントの役割と選定

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