大規模修繕工事新聞21年10月号(No.142)
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○事業の概要 ・令和2年度予算額 17億円(創設) ・事業期間 令和2年~令和6年度○応募要件 <計画支援型[事業前の立ち上げ準備期間]>  ・補助対象…長寿命化等に向けた事業を実現するための必要な調査・検討経費( 先導性の高い長寿命化等の改修や建替えに向けた事業を実現するために必要な調査・検討等の準備段階の取り組み)  ・補助事業者…民間事業者等  ・補助率…定額(500万円/件・年 ※事業実施期間は最大3年間) <工事支援型[長寿命化等の工事実施段階]>  ・補助対象…調査設計計画比、長寿命化に資する工事のうち、先進性を有するものに要する工事(老朽化マンションの長寿命化に向けて、先導性が高く創意工夫を含む改修や修繕の取り組み)  ・補助事業者…民間事業者等  ・補助率…1/3 ※ 長寿命化改修工事を行うことが経済的に不合理なケース、区分所有者の合意形 成の状況等によっては建替えで再生を図るること  が合理的であるケースとして、学識経験者からなる評価委員会で認められた場合は「建替え」も補助対象となる。 国土交通省は8月6日、昨年度に創設した「マンションストック長寿命化等モデル事業」の令和3年度第1回提案募集について、評価結果を公表しました。今回は、応募のあった5件すべてを採択事業として適切であると評価されました。 応募があったのは「計画支援型」2者2件、「工事支援型(長寿命化改修工事)」2者2件、「工事支援型(建替え工事)」1者1件の計5件。評価は、国立研究開発法人建築研究所において、学識経験者からなる評価委員会を設置し、提案事業の評価・審査を行っています。                ◇ 採択事業の内容について、「計画支援型」の2件はエレベーターの免震化を伴う増設案の検討、超高層マンションでの地下配電設備の浸水対策など、災害対策への先導的な取り組み等が評価されました。 「工事支援型」は2件が、中長期的な計画に基づき、共用給排水管を樹脂管に交換し耐震性・耐火性・耐久性の向上、ライフサイクルコストの低減を図る改修工事の提案、住民の負担軽減へのきめ細かな配慮、工程計画や合意形成の工夫、性能向上への工夫が見られる改修工事の提案など、汎用性があり参考となる長寿命化の改修方法のパッケージとして先導的である点で評価されました。 また、「工事支援型」の1件は郊外型団地の建て替えにおいて、仮移転期間の短縮、保留敷地での施工再建マンションの分譲時期の調整による供給過多の回避、保留敷地の工事ヤードとしての活用など、敷地分割のメリットを活かした建替え事業が先導的であると評価されました。 マンションストック長寿命化等モデル事業は、急増する老朽化マンションの再生検討から長寿命化に資する改修や建替え等のモデルとなるような先導的な再生プロジェクトに対し、国が事業の実施に要する費用の一部を補助するものです。-7 -

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