大規模修繕工事新聞21年9月号(No.141)
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一一〇202195..7を線でつないでカバーしていく、途切れ目のない修繕の検討が必要です。1回修繕したことを2回目に生かせ、3回目は1回目と2回目を踏まえた上で実施する。そして工事と工事の間も常に委員会が目を光らせておいて、大規模修繕工事を点ごとのイベントにしない、このような環境の組織が必要だと考えています。 建物に関しての知識のシンクタンクになる、情報の集約どころになる、このような委員会が望まれると考えます。 特に18年周期を実践しているマンションの事例では、この組織が非常に分厚い、みなさん熱心に活動なされています。■常設修繕委員会のやるべきこと③計画の変化 変えるべき計画とは何か。「管理組合が関与していない、管理会社あるいは売主が作成した長期修繕計画は変えるべき計画である」「技術的根拠なく機械的に12年周期で存在する大規模修繕工事の計画は変えるべきである」。 では、管理組合にとって本当に必要な計画とは何か。 「根拠のある大規模修繕工事時期が設定できる長期修繕計画であること」「大規模修繕工事さえやれば大丈夫、マンションは安泰だ、そして修繕に無関心とはならない計画」が必要な計画であります。 大規模修繕工事にいきなり取りかかるのではなく、その前には必ず建物の調査診断をやります。これを含めて計画に盛り込むことが必要なんです。大規模修繕工事の2、3年前に調査診断を実施する、そして工事が計画年数どおりに必要かを見極めます。工事だけを入れた長期修繕計画ではなく、建物調査診断の予算計上を入れた長期修繕計画が必要です。 この調査診断結果により大規模修繕工事の具体的時期を前倒しする、あるいは後ろ送りに修正することが必要です。④変化の継続 最後に、1つの「継続」です。では、管理組合にとって必要な「継続」とは何か。 ・理事会が交代するたびに変えない基本方針/繕修の常日(のもの線目期短はに理管持維のンョシンマ ・ 小修繕=管理費予算)と中長期目線のもの(大規模修繕工事=修繕積立金予算)があるという認識を持つ実施事項一般修繕の実施状況の把握修繕委員会にて年度ごとの一般修繕の実施状況や経過を確認する。その上で計画修繕への影響や反映すべきことの有無を検討している。管理会社防災センターとの連携を密にし、同事象の1次対応以降についてその原因の考察や経過について把握し、計画修繕への影響や反映すべきことの有無を検討している。管理会社にて実施する建物点検にコミットメントし、その内容を常に把握して計画修繕への影響や反映すべきことの有無を検討している。設備等の長期修繕計画上の修繕事象について、その実施の是非の改めて実施する場合、その状況の監修等、計画との照合や精査を行い、長期修繕計画の実践的な使用を行う。漏水事故や設備異常などの事態の把握建物点検の内容の把握長期修繕計画実施状況の見守り■本社■横浜支店■東京支店■北関東支店■東関東営業所■新富オフィス神奈川県横須賀市森崎1-17-18神奈川県横浜市都筑区早渕1-40-1東京都大田区東六郷1-3-10埼玉県戸田市笹目7-2-15千葉県市川市湊10-16東京都中央区新富2-14-5 5F内容詳細①日常修繕②メンテナンスがある、義務があるという視点を忘れない これらを継続的に持っていることが必要だと考えます。 理事が交代するたびに使うべき予算についての比重が変わっていく。大規模修繕工事のたびに重点を置く部分が変わっていく、なるべく安く上げたい、なるべく長期に使いたい、工事のたびごとにコンセプトがバラバラになる。 どうしてこういうことが起こるのでしょうか。「継続」という意識が欠如しているからだと思います。 たとえば、敷地にデッドスペースがあり、それを有効活用したいという場面があったとします。変化の継続を考えたときに目標として、子育て世代に優しいマンションにしようとした場合、そのスペースには子どもが遊べる遊具を設置するような発想になる。工事をすることになれば、子どもが遊べる遊具に対してお金をかけましょうという発想になります。 一方で、高齢者に優しいマンションにしていく意識があれば、遊具ではなく高齢者がくつろげるベンチを設置しようということになります。これはどちらも正解で、中長期的にご自身が住んでいるマンションをどういうコンセプト、どういう方向性にもっていきたいのかを決めておくことが必要だということです。 自分たちのマンションに、どのような付加価値をつけていくのか。その目標を設定することが大事です。その定めた目標に対しては、理事が交代していっても、その目標値に寄り添った施策に対して行動していく、維持管理をしていく。背骨を1本通し、そこに肉付けしていくものがバラバラにならないようにする。限られたお金の有効な使い方というのはこういうことではないでしょうか。 目標が違えば、工事内容も異なります。これは何が正解かということではありません。自分たちの家として、どう住まいたいか、どう形付けをしていくのか。それはまさに住んでいる皆さん方で、話し合って決めていくのです。 適切な維持管理のためには、この2つの目線(中長期目線、短期目線)と、3つの項目(①日常修繕、②メンテナンス、③事故・不意の損傷)の工事をミックスしながら組み立てていくことが管理組合としてはたいへん重要なものになると思います。 こうしたことを経ることで18年周期の工事により付加価値が付けられ、工事の意義も上がり、住まいの居住価値も上がることにつながります。単なるハードの修繕にとどまらない家としての付加価値づけをしていくことによって、長く住む価値があるような家づくりに貢献できるものと考えます。利権、るあが性能可るなに事理がも誰ばれあで者有所分区 ・ 項目一般修繕の状況にも目を配る→日常の小まめな手入れをして大きな不具合発生につながらないようにさせる管理状況に目を配る→給水ポンプや消防設備等管理メンテナンス対象部位がどのように修繕しているか把握する③事故・不意の損傷漏水事故原因や修繕工事等実施状況を確認する→大規模修繕工事内容や時期等にフィードバックする事項の有無についてアンテナを張る考慮すべき内容0800-888-6191

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