大規模修繕工事新聞21年9月号(No.141)
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6千葉本店〒273-0014 千葉県船橋市高瀬町31-3TEL 047(434)1751 FAX 047(434)1789〒111-0056 東京都台東区小島2-13-3 ティーエスケービルTEL 03(5809)3151 FAX 03(3866)5805東京本社 一般社団法人全国建物調査診断センター(全建センター)が6月27日、オンラインで開催した第52回管理組合セミナーの模様を紙上採録します。今回は「大規模修繕工事18年周期のための3つの変化と1つの継続」と題して、全国建物調査診断センター・筆頭理事の佐藤成幸氏の講演を掲載します。講演の内容はYou Tubeにより動画配信を行っています。全建センター・佐藤成幸筆頭理事(You Tubeより)①意識の変化・理事・修繕委員として  ・区分所有者として②組織の変化・単発ごとの委員会から常設委員会へ③計画の変化・長期修繕計画  ・大規模修繕工事の時期・小修繕、手入れ工事の導入④変化の継続・理事会が交代するたびに変えない基本方針①意識の変化 変えるべき「意識」とは、そもそも、持つべき「意識」とはどういったものでしょうか。 まず変えるべき「意識」とは何か。これは「12年周期で大規模修繕工事をやらないと大変なことになる」という恐れの意識、「やらなくて何かあったら大変だ」という根拠のない恐れ─変えるべき意識は大きく、この2つです。 次に持つべき意識とは何か。「大規模修繕工事の実施時期は建物調査診断等の技術的根拠を基にする」「不要不急の大規模修繕工事は修繕積立金の無駄使い」という、この2つの意識です。この「意識」をしっかり覚えていただきたいと思います。 特に私どもが相談を受ける中で、大規模修繕工事をなぜやる千葉本社〒261-8501 千葉県千葉市美浜区中瀬1-3瀬1-3幕張テクノガーデンB棟6F7)3318TEL 043(307)3311 FAX 043(307)3318神奈川・埼玉支店んですかと聞くと、「計画にあるから」「12年経ったから」とっあか何てくならや「。い多が方るなにえ答おにうよの前りた当たら大変ですよと管理会社から言われた」とか、「管理会社の言葉をきっかけに大規模修繕工事をやることになった」ということがヒアリングをしていて非常に多いです。 国土交通省のマンション総合調査においても同様な傾向がうかがえます。全国どこでも同じような動向があるものと考えられます。だからこそ、12年周期の大規模修繕工事が神格化して、一人歩きしてしまったんですね。 持つべき意識は、大規模修繕工事は技術的根拠を実施時期としようというものです。年数ではありません。逆に10年でやらなければならない場合だってあるのです。技術的な根拠をしっかり持ったうえで自分のマンションの最適な実施時期を見定める、こうした事実に基づいた根拠を持ったうえで大規模修繕工事の時期を定めていくことが必要です。 やらなくてもいいのに、「どうせやるならどんとやってしまいましょう」という方もいますが、これは修繕積立金の無駄使いだという意識を持ってください。 1回で済むものなら早くやっても遅くやってもいいのですが、大規模修繕工事はサイクルがあります。早くやってしまえば、次のサイクルも早く来てしまいます。12年周期でやれば24年で2回、36年で3回、18年周期であれば36年で2回で済むと、この違いは非常に大きいわけです。 12年周期にこだわる必要はないですよと国交省のマニュアルを引用して過去何度も申し上げてまいりました。国交省の「計画修繕と改修の重要性」に、大規模修繕工事は「12年程度」と書いてあることだけを抜き出して、ここだけ一人歩きしてしまったことが原因ではなかろうかと申し上げてきました。 同じマニュアルで、12年でやれということはひとつも書いていないという事実も話しました。10年〜15年周期で具体的な躯体の改修工事、あるいは外壁の塗装工事をやると書いてあります。特に防水工事は、仕上げの状態によっては18年〜25周年周期で実施することも十分可能であると、マニュアル自体に書いてあります。 「12年周期」ありきでないことを過去何度も申し上げました。改めて皆様に理解していただきたいと思います。②組織の変化 新築以来、大規模修繕工事を18年周期でやろうとすれば、常設委員会による継続性のある検討、点である大規模修繕工事◆大規模修繕工事18年周期について 18年周期の大規模修繕工事の実現化のためには具体的に次の3つの「変化」と1つの「継続」が必要です。第52回管理組合オンラインセミナー大規模修繕工事18年周期のための大規模修繕工事18年周期のための3つの変化と1つの継続3つの変化と1つの継続

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