全建文庫No.38 「管理会社の徹底研究」
45/56

えると思います。マンション管理適正化法が制定される前は、マンション管理はビルメンテナンス、ビル管理の延長ととらえている傾向があり、さまざまなトラブルが起きていました。昨今でも、管理組合の金銭の着服、大事な竣工図書や各種図面等の紛失などさまざまな問題が業界を賑わせていますが、こうした問題に取り組むために法律ができました。これがきっかけとなって、管理会社を選ぶ時代に突入したと言われています。マンション管理適正化法は、ビルメンテナンスの考えでは到底業務はできないことが定められています。一番のポイントはおカネの管理があるかないかです。管理組合のおカネを預かるというのが、マンション管理会社の業務のため、厳しいルールが課されているということになっています。厳しいルールを履行できない会社は、管理業務の実施自体が困難になります。また、組織だって、フロント担しかり、バックオフィスしかり、総務しかり、さまざまな部門がバックアップをしないと業務実施ができなくなりますので、町場の不動産屋さんや小さなビルメン会さんでは、とうてい法律を遵守する業務ができなくなります。こうしたことによって、本格的な自由競争、市場開放となりました。コンプライアンス遵守には、組織的な対応が必要となり、管理会社にとって非常に大事なものになっていきています。コンサルタントとして相談を受ける際、まず「なぜ管理会社を変えようと思ったのですか?」と尋ねます。(4)管理会社変更は、明確な目標設定が絶対に必要です!        45

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る