大規模修繕工事新聞23年10月号(No.166)
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延面積:約9,000㎡耐震補強工期:約1.5カ月       (大規模修繕・機能改善工事同時施工)耐震補強工事費:1,500万円(1住戸568円/月・20年) ケース4は耐震補強工事と大規模修繕工事の事例になりますが、住みやすさ、防災対策で機能改善とレベルアップを同時にしたマンションの事例になります。 耐震補強工事では、駐車場部分の柱と柱の間に耐震壁、つまり鉄筋コンクリートの壁を入れて補強を行いました。駐車場での補強ですので、動線的にも何ら支障なく施工ができました。 工期は約1.5カ月とありますが、これは耐震補強工事だけです。大規模修繕・機能改善工事を含めると約1年かけています。 耐震補強にかかる費用については、管理組合では当初1億5千万円かかるだろうといわれていたということです。ところが弊社で設計し、実際の工事費を見積もったら1,500万円で、資金的に余裕が出ました。それも理由の一つで、機能改善工事をやろうと踏み切っております。機能改善の主なものとしては、サッシ改修、共用部分照明のLED化、バリアフリー化、エントランスの改良工事等です。 エントランスには宅配ボックスや休憩用のベンチを設置しました。集会室をトランクルームに、住み込みだっ-5 - 使用していなかった共用部をコミュニティールームに改造(写真左の奥)。柱周りにベンチを設置(写真中央)。住民から要望の高かった宅配ボックスを新規に設置し、現在のライフスタイルに対応したた管理員の居室スペースをコミュニティールームに改造しました。ヨガ教室など住民の方の催しで使っていただいています。 また、無機質な壁にウォールアートといって、壁に絵を描いています。通行人の方にも楽しんでもらえるようにということで、デザイン性をアップさせました。 駐輪場も、昔の古いスチール製のものを撤去して、耐久性のあるアルミ製に交換しました。この時に駐輪ラックを設置したことで、番号を付け、自転車の整理ができるようにしました。 敷地内に防犯砂利を一緒に敷いたので、防犯対策にも寄与したということになります。 機能改善工事については住民アンケートを実施し、生活をしている上での要望を聞き取りながら設計に反映させました。

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