大規模修繕工事新聞22年12月号(No.156)
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     因で漏水が起こることがあるのです。写真②は、建物の床下の共用部排水管です。建物調査でお伺いしたときに、普段居住者の方が目に触れないような建物の床下まで調査をする場合があります。そのときに居住者のみなさんがお使いになったトイレや台所の排水が1階住戸の床下のピットで知らない間に漏れていることがあります。 目に触れないところで配管から漏水が起きている例は少なくありませす。 1階住戸の床下にピットがない場合は、このような業が1住戸あたり約2週間必要になり、当該住戸の生活に支障を来たすことになります。 日常生活しながらでも床を開口して配管を取り換えていく作業を行わなければなりません。 写真④は、1階の開放廊下の床下に設置された排水管の改修工事です。居住者が日常生活の中で普通に歩く共用廊下であっても、配管を取り換える際にはこのような大掛かりな作業をやっているという事例です。写真⑤は、1階住戸の床下の配管工事をしている様子です。昭和40年代に建設されたマンションで、配管を1階住戸下の土の中に全部埋めてしまっているケースがあります。そうした場合には1階住戸の床下に人が入れるくらいの穴を開け(写真⑥)、そこから土をかき出し、作業員が入り込み、土を掘り起こして工事をすることが必要になりまん。写真③は、敷地内に埋まった共用部給水管の更新工事をしている模様です。工事中はマンションの敷地の中が道路工事の現場のようになり、その中で作業が進みます。 マンションでは建物内の給排水管を想定することが多いですが、建物回りの外構にも共用部配管が埋まっています。 一般社団法人全国建物調査診断センターが2カ月ごとに主催している恒例管理組合オンラインセミナーの一部を紙上採録します。今回は10月23日にYou Tubeで公開した第60回記念セミナー「給排水管改修工事 高騰の現状」の中から、「マンションの給排水管改修工事とは」「見積書の高い安いと実際の現場が見えにくいもの」「コストダウンの工夫」について採録します。 なお、これまでのセミナーはYou Tubeにより動画配信を行っています。全建情報図書館でもセミナーの内容等を収録した書籍を発行しています。全建センターのホームページから検索してください。 マンションの給排水管改修工事とは まずは共用部給水管の老朽化と劣化状況の実例を見ていただきます。 写真①は共用部分の排水管にできた穴です。 一般的に、排水管高圧洗浄を毎年実施していると思いますが、その際、洗浄用のワイヤーが排水の枝管から立管に入る角の部分で、30年~ 40年間の毎年の摩擦によって配管の継手に穴が空いてしまう、という事例が増えてきます。 築年が30年から40年経ってくると、腐食とは別の、このような原-2 -

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