大規模修繕工事新聞22年11月号(No.155)
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 IT社会が浸透していく中、「マンション改修業界の時代遅れ感は否めない」と話すのは長期修繕委員会の中山隆さんと富永進一朗さん。 工事中の定例会では、課題に対して誰が何をいつまでに対応するのかといった報告書の作り方や運用がまったく不明確だったという。つまり、設計監理者や施工者に通じるだけのもので、管理組合に向けてのお決まりの報告会に過ぎなかったと感じたのだった。 そこで管理組合から課題管理のデジタル化を提案。長期修繕委員会で工事や部位の用語統一を図るとともに、課題をすべてリストアップ・整理したものを作成した。 これによりお互いに“言った言わない”の防止となり、課題の抜け漏れや停滞の抑止に成功した。 課題管理は、大なり小なり約120件に及んだという。 こうして課題管理を「見える化」したことで、品質管理も向上した。まず、管理組合の検収検査がセレモニー的で局所的になっていることに問題意識を持った。単なるイベントに終わっているのではないかということである。 大規模マンションでは検査項目が広範囲にわたっているため、サンプリング手法による検査が一般的で、全体把握は行っていない。そこで、-2 -   設計コンサル、施工会社を先導し長期修繕委員会が大規模修繕を「見える化」 課題管理のデジタル化検査プロセスの是正

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