大規模修繕工事新聞22年3月号(No.147)
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 大規模修繕工事における材料価格について、昨秋より各種メーカーからの価格改定が相次いでいます。主な原因は、昨今の原油需要の急拡大、物流(運送)価格の上昇、円安等による原材料の高騰です。新型コロナウイルスのまん延による世界経済の停滞もそのひとつに上げられます。その他にも、人件費の最低賃金の上昇など、さまざまな要因が工事費に反映される結果となっているのです。 ところが、工事会社は発注者(管理組合)との力関係、コスト競争などから、見積額を極限に落として受注に結び付けようとしているのが現状です。 この影響が工事の品質に跳ね返ってくることは容易に考えられます。必要経費が値上がりしている実状があるにもかかわらず、全体工事費のコスト競争により、工事会社を選択するのであれば、その穴埋めは施工性に求めるしかなくなるからです。 では管理組合として、どのような対応をすればよいでしょうか? まずは、材料価格の現状からみてみましょう。◆塗料の主要原料・ 顔料(チタン白・カーボンブラック・亜鉛末・炭酸カルシウム…)・ 樹脂(アクリル・ウレタン・シリコン・エポキシ…)・ 溶剤(ミネラルスピリット・トルオール・キシロール・メタノール…)◆価格改定例①シンナー:15 ~ 20%②溶剤系塗料:10 ~ 15%③水性塗料、表面処理剤関係:8~ 12%② シリコーン関連製品:40 ~ 50%※ 玄関扉、サッシなどのカバー工法による建具更新、面格子など金物関連の更新が対象◆価格改定例 各種:10 ~ 15%◆防水材の原材料・塩ビ樹脂・ウレタン系製品・アスファルト系製品◆価格改定例 各種:10 ~ 15%◆シーリング材の原材料・シリコーン(金属ケイ素)・ メタノール(メチルアルコール)◆価格改定例①ボンド製品:10 ~ 15%-2 -

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